April 2005

April 28, 2005

ワールド・ファイナンシャル・センター(設計:シーザー・ペリ)

7714485f.jpg別に「9・11」について何かを言うつもりはない。失くしたと思って忘れてしまっていたこの写真が出てきたのでしばらくながめていた。でも主役はやっぱり手前のWFCではなく、その向こうにうっすらと浮かぶWTC。NYを訪れたのは1993年頃。この日は洪水が起こるほどの悪天候だった。この直前にもWTCではテロがあって、低層部分が壊れていた。雨雲に突き刺さって消えていく様はなんとなく怖かった。

WFCは中央にウインター・ガーデンと呼ばれるアトリウムが有名で、中には16本のヤシが伸びている。あとで知ったが、このアトリウムを設けることで容積率ボーナスが得られるということらしい。日本の公開空地より実用的な制度だと思う。

April 20, 2005

工事費を値切るより適切なローンを選ぶほうが効果大

衣食住、なにをとっても「適切な価格」がある。一番わかりにくい「住」の価格にも「適切な価格」があるはず。不当に高くても、また不当に安くても良い家とはいえない。

だから闇雲な値切りはよくない。住宅の工事を行う工務店や現場の職人さんとの信頼関係が「良い家」をつくるための絶対条件だから。

以前述べたように、ローンの選択や支払い方法によって、総支払額は何百万円も違ってくる。工事費を値切ったり、グレードを妥協してあと何十万円をせめぎあうことよりも、適切なローンを選択するほうがよほど効果が大きい。

では「適切な価格」にたどり着くためにはどうすればよいか。
それは施工者から出された見積りの内訳を丹念にチェックするしかない。数量の過不足を直してもらい、見栄えや品質を考慮しつつ材料を変えたりしながら、粘り強く値段を下げていく。最終的に双方が納得した価格が「適切な価格」だ。

「そんな細かいことまでわかるわけがない」
と怒られるかもしれない。そう、あまりにも多くの方がこの作業をせずに家を建てているのが現状。見積りの査定は専門的な知識を必要とするからいたしかたない。しかしこれこそが家づくりを不安にさせる最たる要因ではないだろうか。夢から現実に引き戻される原因も、ここで太刀打ちできないからではないか。

そこで利用してほしいのが設計事務所、つまり住宅の設計と監理を行う建築士である。設計事務所は、家を建てる人の側にたって上述の作業をおこなうので、これが「適切な価格」への一番の近道だと思う。

多くのことを詰め込みすぎたかもしれない。今後じっくり「工事費」や「作り手との信頼関係」、そして「設計事務所」の仕事について書いてみたい。


April 19, 2005

ミホ・ミュージアム(設計:I・M・ペイ)

c1e982a6.JPGミホ・ミュージアムを訪れるなら、桜のきれいなこの時期がいい。街中の桜が終わりかけるとちょうど見ごろになる。

伝統的な入母屋をモチーフにした屋根が日本人の僕には馴染まないが、それを中から見あげると、木調ルーバーの隙間からライムストーンの壁に光がふりそそいで美しい。この日、展示室の空調が適切でなく、息苦しかったのが残念。

レセプション棟でチケットを買い、桜をみながら歩いてトンネルをくぐり、橋を渡ってようやく美術館にたどりつく。この間、車で送迎もしてくれるが、元気ならぜひ歩いて景色の変化を楽しむべき。

異次元を感じるのは、施工の質が特に高いからだろう。

April 17, 2005

Saravah!

021d2975.jpg中高生の頃、高橋幸宏さんが良いと言った音楽を聴き、好きと言った古い映画を観ていた。大学生になって最初にしたことは「ブリックス・モノ」の服を買うために東京へ行ったこと。デザイナーでもある幸宏さんのブランドの服を着ることは永年の夢だったが、ブリックス・モノはその前年、閉店していた。

Saravah!は27年前に発売された幸宏氏のファーストアルバム。じっくり聴いたことがなかったので、今回の復刻版を購入。

April 16, 2005

だれも勧めてくれない「フラット35」

家を建てて不幸になっては何の意味もない。だからまずはお金が一番大事。

公庫と民間金融機関が提携して行う新型ローン「フラット35」の利用者が最近になって急激に伸びている。当初は貸し手のリスク(つまり貸し倒れとか)を分散させるためだけの制度と思っていたが、金利が大幅に下がったことで、借り手にとっての大きなメリットが生れた。

このシステムの特徴は、「全期間固定金利」で「元金均等払い」も選択できるので、非常にまじめであるという点にあるが、そこへ「低金利」が加われば人気が増すのも当然だ。「保証人不要」や「繰上返済手数料不要」なども大きい。

この「フラット35」、窓口となる金融機関は儲からないだろう。それは決まって自社が行う「超低金利モノ」を勧められることからもわかる。そして4月1日、相反するはずの「公庫ローン」と「超低金利モノ」とを合わせて借りる「すまい・るパッケージ」という、借り手をますます混乱させる商品も登場した。

これは、儲けなければならない金融機関と、儲けさせる訳にはいかない借り手との知恵比べ。したがってローンを選択する際には、わがままにご自身のメリットを追及してほしい。

April 15, 2005

アーサー・ハートレイ邸(設計:フランク・ロイド・ライト)

139ccc3b.jpg学生時代、兵庫県芦屋にある旧山邑邸(ヨドコウ迎賓館)の階段を上りながら、フランク・ロイド・ライトの住宅をもっと見てみたくなった。壮年期のライトが拠点にしていたシカゴを訪れたのはそれから数年後。そこには多くの傑作と駄作があった。

そのなかでもお気に入りがアーサー・ハートレイ邸(1902年)。数ある名作の陰にひっそりとたたずむ存在感がいい。背の高いアメリカ人が頭をぶつけるのではと心配になるくらい低い階高が際立っている。100年以上経った今もあたりまえのように当時の姿のままで誰かが暮らしている。

April 14, 2005

見切り発車!

『ブログ』という言葉。なんか変だ。


テンテンがふたつもついていて響きが悪いし、それに『ウェ』を省いて『ブログ』を残すというのがすっきりしない。ひょっとして『ブログ』という言葉には僕の知らないもっと重要な意味が込められているのかも・・・・。そうは言っても、それに対抗してひとり『ウェブロ』と呼ぶのもどうかと思う・・・・。


ん?待てよ。『ウェブロ-』と若干語尾を伸ばすといいかもしれない。


そういえば建物の設計という作業もいつもこんな感じだ。「なんか変だぞ」というところから入って、「じゃあこれだ!」と決め込むが、翌朝「やっぱりそれも違う」と考え込む。それを10回くり返すころに「う〜ん、これしかない」と納得する。その間まるで深い海の底を漂うようなもの。


この作業・・・。いつかは楽しみたい。


さて今日のところは『ブログ』で行こう。納得はできないが『ウェブロ-』よりはましだ。とりあえず見切り発車だ!