August 2005

August 31, 2005

子孫から借りたもの

41a48b42.jpg「自然は先祖から授かったものではなく、子孫から借りたものである」

インディアンの言葉だそうだが、地球博のフランス館でも一瞬この言葉が現れる。


僕らは将来、どんな風景を子孫に返すことになるのだろうか。ながい間循環していた自然を持続不能にしてしまった今、死ぬまでにどこまで回復させられるだろうか。


現在の住宅産業には、かつての風景を無残に壊した罪の意識も、子孫に対する責任感も、みじんも感じられない。自然を壊して家をつくるか、自然の循環の中で家をつくるか。それはまず作り手の心構えできまるが、住宅産業とよばれるところに身をおく大人たちはそんなこと全く知らないのだから。

少なくとも僕はインディアンの価値観を共有できる仲間と仕事がしたい。共有できる人のための家をつくりたい。子孫に胸をはれる風景をひとつひとつ造りたい。我々にはひとつひとつしか造ることができないが…。



昨日、報道ステーションの最後に、古館さんは日本の財政についてこう指摘した。
「我々は子どもから借金をしているということ」

僕らはいったいどれだけのものを子孫から借りているのか。

August 27, 2005

家相は気にしたほうがいいですか?

06301514.jpgこの仕事をしていてよく聞かれる質問がこれ。いつも「私は気にしません」と答える。

家を建てる人は夢と同じくらい大きな不安や迷いを持っている。どのようにして安心を勝ち取るかは非常に大切なこと。こうしたときに「家相」というものが大きな役割を果たしてきた事実を無視するつもりはない。でも気にはしない。
なぜか…。

この写真は現在計画中のある住宅用地で夏の日差しを検証したもの。西日をどのように遮り、またどの程度家の中に取り込もうか、じっと考える。ここで暮らす家族を思い浮かべながら。

唯一の家族が唯一の土地に家を建てるのだから、そこに建つ家も当然唯一のものでなくてはならない。そのただひとつの答えをだすために何度も現地に向かう。辺りをうろうろと歩けば、いろんな発見がある。

概ね狭小な日本の住宅地は、すぐそこに隣家が迫る。だから開く(窓)か閉じる(壁)かはとにかくデリケート。玄関の位置も水廻りの配置も当然デリケート。だからこそ現場で考えなければならない。駅はどっち?幹線道路はどっち?疲れて帰ってきた主人を「お帰りなさい」と迎えてくれる玄関はこっち側?それとも向こう側?
そんなことをくり返す。

そして僕はそこで得られた感覚を信じる。だから家相を気にしない。


大丈夫、見えてきた。安心して。

August 24, 2005

tete

42f1c9dd.jpg最近一番お気に入りのホームページが

これ



内容は全くわからないが、曲と絵が素晴らしい。

August 22, 2005

夏の終り

hasu.jpg朝から守山の現場で打合せ。相手の大工さんは疲れがでたのかお休みだった。帰りに烏丸半島のハス群生地で車を停めた。まだ暑いが、肌に伝わる空気が夏の終りを告げている。


昨日、偶然深尾くん家のみいちゃんに会った。いつもブログでチェックしていた優しい顔を生でみて嬉しかった。


August 18, 2005

どうぞお気をつけて

a3e3978c.jpg今日はこの言葉を二度かけてもらった。気持ちがいい。

そもそも朝からトラブル続出の一日。消防署との協議に向かおうと車に乗るがエンジンがかからない。かからないのに時間がない。仕方がないので2年ぶりに自転車にのるがタイヤがぺちゃんこ。汗だくで臨んだ肝心の打合せは想定範囲外の悪い結果。

しかし今日はなぜか冷静。結果は悪くてもしっかり話は聞いてもらったし、聞くこともできた。それでOKだ。

帰る途中でタイヤに空気を入れてくれた自転車屋の店員さんが「どうぞお気をつけて」と声をかけてくれた。今度自転車を買うならここで買おうと思った。もう一人は某ファストフードの店員さんだ。もう随分通っているこのお店は、必ずマニュアル通りのセリフを言うので、むしろそこに安心感すら覚えていたが、「お気をつけて」という言葉は始めて聞いた。思わずお礼を言った。

最近忙しくて車をとばしがちだった。ひょっとすると今日は車を乗ってはいけない日だったのか。

何か大きな力に助けてもらってるのかもしれない。

August 16, 2005

丸めがねをかけたモンスターと黄色い宇宙人

0c4d7c03.JPG愛知万博を訪れたのはこれが2度目。前回は企業パビリオンが中心だったので、今回は外国館を中心に観た。気温は35℃くらいか。3リットルくらい水分を摂った。少し摂りすぎた。

さてこの写真は、石井竜也がプロデュースした「精霊たちの森林舞踏会」。子どもにもよくわかるほのぼのとした雰囲気のミュージカル。その中にあって特に違う空気を放っていたのが、この丸めがねをかけたモンスターと、その肩に乗っかってる黄色いヨーダみたいな宇宙人。

このふたつの人形を担当したのが特殊メイクアーティストの山口大介さん。山口さんと僕は以前、大阪でそれぞれ別に自主制作映画を作っていたが、初めて出会ったのは15年ほど前、東京の「あきる野映画祭(当時の五日市映画祭)」だった。コンテストで無冠に終わった僕が、監督賞を受賞した山口さんに帰りの電車で声をかけたように記憶している。そして「今度一緒に映画作りましょう」と言って別れた。2年後それが実現した。

今は一人のファンとして山口さんの活躍を楽しみにしている。信じられないくらいリアルな質感が、広すぎる愛・地球広場では伝わらない。それは少し残念。