September 2005

September 19, 2005

月は地球に向かって落ちている

6b126127.jpgそう言ったのは、高校の時の物理の先生。

「悔しかったらこの問題、解いてみろ」
いつもこんな言葉で生徒を少し馬鹿にしながら笑っていた。なんとか見返してやろうとその問題を解いて職員室に行くと、また次の難問をふっかけられた。結構楽しくて、物理が好きになった。

少し前になるが、その先生に出会った。先生は必死に思い出そうとしてくれたが、「忘れた」と言ってまた笑った。忘れんなよ。



中秋の名月も世間の三連休も関係ないが、次から次へと降りかかる難問は相変らずある。

「悔しかったら解いてみろ」

月を見ると聞こえてくる。

September 11, 2005

森林という言葉には五つの「木」があるが…

7e993c35.jpg今回の敷地には数え切れない木が育っている。3度目の調査に訪れたがまだ全貌はつかめない。そして来るたびに少し違う雰囲気をかもしだす。こんな緑の深い、そして高低差のある敷地に今後何度出会えるだろう。難易度の高い仕事だが、一期一会の精神で取り組みたい。

今日の打合せでは大きな犬の手荒い大歓迎を受けた。住まい手さんのこだわりと自分なりの考えにはまだまだずれがあったが、ながく話すことができたおかげでフィットしてきたと思う。

図面はまた一から描きなおしになるが、住まい手さんの熱い思いに答えられるように頑張ろう。次にあの犬に会えると思うと楽しみが増してきた。

September 05, 2005

川端健夫さんの木工展

滋賀県立近代美術館で昨日まで行われていた、川端健夫さんの木工展におじゃました。川端さんは滋賀県甲賀市で活動する作家。最終日ということで、絶えず来場者がおとずれるなか、ゆっくりと話を聞かせてもらった。優しい人だ。何かを作ってる人には優しい人が多い。ただ自分も含めて建築の人にはこういう人は少ない。日頃から他人との小競り合いばかりをしてるからか…。少し反省…。

さて川端さんの椅子やテーブルは、周りの空気がやわらかくなるなるような、優しさと遊び心を感じるきれいなものばかりだった。構造的に力のかかる仕口には確かな技術があった。それは木がもってる線や面の魅力に対する誠実な気持ちの表れかもしれない。

きっと80年くらい、つまり使うひとの人生と一緒に「古美て(ふるびて)」いくのだろう。

この木工展は昨日で終わったが、ここへ行けばいつでもその雰囲気が味わえるそうだ。

「マンマミーア!」「川端カタチ・ツクリ創作所」

またコーヒーでも飲みに行こう。