January 2006

January 28, 2006

街の中のお寺

7a735ecc.jpg

















大天井に貼り上げられた「双龍図」が公開中の建仁寺を訪れた。

どちらかというと山の中のお寺が好きで、街中のお寺は好きではない。坂を上ってやっと辿りつくくらいがいい。きっと気持ちを切り替えるのに時間がかかるか、洗い流したいものが多すぎるからだろう。

ここは正に街中のお寺なので時間が足りない。でも枯山水の庭や庭越しに見える法塔はとても美しい。山の中のお寺には軸線が存在しないが、ここ建仁寺は強い軸をたよりに配置されているので新鮮だ。

神の作ったものに直線はないと言われるように、軸は人間の痕跡を象徴している。建仁寺は人間の力を感じるお寺だと思う。

January 26, 2006

貝殻のついた木

4636ad9d.jpg滋賀県建築士会青年部の事業で県内の小学生と一緒に木の製材所を見学した。子ども達からは先生と呼ばれたりもしたが、先生らしいことはあまりできず、一緒になって製材所の人を質問攻めにした。

子ども達は貝殻のついた木を見て、木は山から運ばれてくるばかりでなく、海からも運ばれてくることを知った。今後行う山の見学などを通じて、近くの山の木を伐ること、それを使って学校や家を建てる意味を考えることになる。

この子たちは地元の杉やひのきを床・壁・天井に使った学校で過ごしているので木の香りを知っている。幸せものだと思う。

近くの木に辿りつく旅は、本当は家を建てる前の大人の人にこそ体験してもらいたい。





January 16, 2006

あれから11年

208af207.jpg13日、実物大の鉄筋コンクリート造6階建ての建物に、阪神淡路大震災で観測された揺れを加える実験があった。先輩のお誘いでこれに同行させてもらった。

これは文部科学省の大都市大震災軽減化特別事業の一環で、独立行政法人防災科学技術研究所が兵庫県三木市に建設した世界最大級の実大三次元震動破壊施設(E−ディフェンス)で行われたもの。なんか凄そうでしょ。

高さ16メートル、縦12メートル、横17メートルで、建築基準法の耐震基準が大きく改正される前である70年代の基準に則り設計施工された。これにあの日、神戸海洋気象台が記録した地震波を再現。これは震度6強から7に相当する。さらに詳しく説明するとこういうことだそうです。

E2あの日の揺れはこんなにひどかったのかと驚くほどの揺れに対し建物はしなる。鉄筋コンクリートのしなり方もはじめて見たので驚いた。建物はなんとかもちこたえ、原型をとどめたように見えたが、よく見ると特に根元の部分が破壊されていた。また2階の家具は転倒しなかったが、5階の家具は大きく転倒した。実験後の会見によると、これは「倒壊」の少し手前の「大破」または「崩壊」というレベル。ほぼ想定通りとのこと。

この国の構造技術は相当確かなものだと実感したが、建築基準法が最低限の基準である以上、安全を増した設計と、施工の品質が確保されない限り、地震に備えたことにはならないということも、目と耳と肌で痛く感じた。

「あの日」から明日で11年。いろいろやりたいこと、やらないといけないことがたくさん見つかった。

January 08, 2006

犬の生活

35ae447a.jpgさくら(ラブラドール)の家を考え中。正確にいうとさくらの飼い主さんの家を設計中。

考えてる最中は行っては帰りの連続だけに、そう簡単に答えはでない。ペットのスペースを作るだけなら簡単だけれども、「暮らす」ということはそれだけじゃないから。親子の距離間が時間とともに少しずつ変化するのと同じで、犬との距離間も微妙で絶妙でありたいから。そんな事を考えるのは簡単じゃないだけに楽しい。

試行錯誤の結果が、唯一の家族が暮らすための「こだわり」として表れるように。捨て去った案の数が、変化を大きく包容できる「深さ」となって表れるように。

今はひたすら考え中・・・。



January 07, 2006

今年最初のムネノウチ

a60b8185.jpg気がつけば今年になってもう7日。

少し仕事をして、寝て、ちょっと出かけて・・・。例年のバタバタに比べればゆったりできた今年のお正月。そろそろエンジン全開で行かなければ。

一応お正月らしく目標を考えてみた。どう考えても一年では達成できそうにない目標をたててしまったが、視線を遠くにおいておけばいつかそこに辿りつけるだろう。思いが叶うかどうかはその思いが強いかどうかで決まるから。

さて、ひとが所信表明してるときになんだこの雪は。今年最初の写真にしては、やたら視界が暗いぞ。

まあいい。明るい未来はもっと先でいい。