August 27, 2005
家相は気にしたほうがいいですか?

家を建てる人は夢と同じくらい大きな不安や迷いを持っている。どのようにして安心を勝ち取るかは非常に大切なこと。こうしたときに「家相」というものが大きな役割を果たしてきた事実を無視するつもりはない。でも気にはしない。
なぜか…。
この写真は現在計画中のある住宅用地で夏の日差しを検証したもの。西日をどのように遮り、またどの程度家の中に取り込もうか、じっと考える。ここで暮らす家族を思い浮かべながら。
唯一の家族が唯一の土地に家を建てるのだから、そこに建つ家も当然唯一のものでなくてはならない。そのただひとつの答えをだすために何度も現地に向かう。辺りをうろうろと歩けば、いろんな発見がある。
概ね狭小な日本の住宅地は、すぐそこに隣家が迫る。だから開く(窓)か閉じる(壁)かはとにかくデリケート。玄関の位置も水廻りの配置も当然デリケート。だからこそ現場で考えなければならない。駅はどっち?幹線道路はどっち?疲れて帰ってきた主人を「お帰りなさい」と迎えてくれる玄関はこっち側?それとも向こう側?
そんなことをくり返す。
そして僕はそこで得られた感覚を信じる。だから家相を気にしない。
大丈夫、見えてきた。安心して。