April 29, 2011
歩きだすために
あの日の5日前。3月6日に卒業設計日本一決定戦がここで行われていました。建築学科生の聖地であるせんだいメディアテークは外からみたところ無傷。でも特に上階の内部に被害があり、現在は閉館中。玄関の外では図書館の職員さんが返却などを受けていました。
東北へ向かう新幹線の乗客も、仙台駅ですれ違う人たちも、市街地の建物も、一見すればいつもと同じで、地震のあとを感じさせるものは「がんばろう東北」という大きな文字と、駅の構内に設置されたボランティアセンターに列をつくる若い人たちの姿と、マンションの壁を観察すればわかるひび割れなど。意識しなければ普通の日常です。
でも新幹線で隣に座る男性の鞄からヘルメットが見えていたりするから、みんな何かを思ってこの車両に乗ってるし、いつものように服を買ったりパスタ屋さんに並んだりする仙台の人たちも大事な人を失ったりした悲しみを堪えてるんやろな…と。
メディアテークの中と外はまるで人の気持ちを映すように静かにそこにありました。5月3日から「歩きだすために」というイベントを皮切りに再開するそうです。