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和助さんのこと
お手伝いさせていただいたお寺の建て替え。古い瓦に刻まれた文字が気になりました。
明治十六年十月吉日
大路井(おちのい)村 瓦屋和助
いろいろ調べた結果、この和助さんには辿りつけなかったのですが、いくつかのことがわかりました。
江戸から明治にかけて草津や栗東には結構多くの瓦師がいて、そこで瓦を焼いて、地域をすみ分けて仕事をしていたそうです。当時トラックはないから瓦を名産地から運ぶのは苦労があったはずで、それぞれの地域で瓦を焼くという仕組みは理にかなっています。
が、一度葺いた瓦は当分葺きかえることがないため、決して儲からなかったのではと。
だから多くは一代で閉めていたそうです。
火を使うため、川の近くでのみ窯の設置が許可されていたそうで、大路井村の草津川に沿って瓦屋さんがあったことが「近江栗太村詩」などの記述を統合するとわかります。
だから想像ですが、そこで和助さんは瓦を焼いていたんではないかと。
旧大路井村の草津川沿いといえば僕の実家があったところです。僕が生まれる100年前に同じ場所で和助さんが瓦を焼いてたのかもしれません。